悪性高血圧

慢性腎炎がおもな原因

 単に血圧が高いというだけでなく、悪性という言葉からもわかるように、腎機能が急激に低下するほか、脳や心臓も急激に悪化させてしまう高血圧をいいます。最低血圧が130ミリ以上にもなります。

 異常な高血圧のために、眼底変化を起こします。ひどい場合は眼底の毛細血管が破裂し、出血することもあります。
 おもな原因は慢性腎炎といわれますが、本態性高血圧でも長く続く場合は同じような状況におちいることがあります。

人工透析が必要なケースも

 血圧が異常に高くなってしまうと、高血圧性脳症といわれるものが発生することがあります。

 脳動脈が高血圧のために拡張し、脳の圧力が高くなってしまうのです。すると、嘔吐感をともなった激しい頭痛に襲われ、口がもつれたり、運動障害、視力の低下、けいれんといった症状を引き起こします。

 こういった末期的な症状をもっている人は、腎臓機能も危機的状況にあるケースが多く見られるようです。なるべく早く診察を受け、必要であれば、人工透析などで、血液の浄化をはかることが大切です。

 いずれにしても、放っておけば悪化するどころか、死の危険さえありますから、早急に医師の診断を仰ぐようにしましょう。

 高血圧性脳症や心不全などが危惧される場合は、できれば、ICU(集中治療室)等が完備している病院での診察をおすすめします。