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心臓のSOS信号
冠動脈の血液の流れが動脈硬化などによって滞ってしまうと、狭心症におちいります。しかし、まだこの段階では心筋が壊死してしまうという事態は発生しません。では、血液の流れが完全にストップしてしまったらどうなるでしょうか。
この状態におちいった心臓が心筋梗塞なのです。
いちばん大切な症状は狭心症の痛みのさらに激しく、持続時間を長くした激痛です。心臓の筋肉の一部が死にかけているその悲鳴とも感じられます。心臓の発するSOS信号と考えてもよいでしょう。痛みだけでなく、なんとなく絶望感をともなう不安感に襲われ、冷汗がでて、息苦しい感じや吐き気、または実際に吐いたりすることもあります。ときにはショック状態というたいへん生命に危険のある状態になります。
生命に危険のある状態
いきなり心筋梗塞の状況におちいった場合は、患者も周囲の人もまったく心の準備というものができていませんから、パニックの状態になりやすいものです。あわてず、かかりつけの医師に相談するか救急車を呼び、CCUやICU(集中治療室)といった設備が整った病院へ直行することです。
激しい痛みは15分以上続き、患者さんの身近にあるニトログリセリンなどの狭心症に効果のある薬を3回なめても止まりません。生命に危険のある病気ですから医師の指示をよく守ってください。再発の危険もあります。
発生と再発の予防に動脈硬化の原因となっている高脂血や高血圧等を治療する必要があります。