妊娠中毒による高血圧
妊娠中毒の三大症状は、
①高血圧
②むくみ
③タンパク尿
となっています。妊娠中毒がなぜ発生するのか、その原因はまだはっきり解明されていません。
妊娠後期に発生することが多い妊娠中毒は、妊産婦はもとより胎児の生命さえ奪いかねないたいへん危険な症状です。
しかし、だからといってすぐに血圧降下剤を投与するわけにはいきません。なぜならば、胎児によい影響を与えないからです。
妊婦がもともと本態性高血圧ぎみだった場合、あるいは腎臓などに障害をもっている場合などは妊娠中に高血圧の症状を引き起こしやすいようです。
というのは、妊娠中はどうしても体液がたまりやすくなり、肥満、むくみの傾向になります。これが毛細血管を圧迫し血圧の上昇を促してしまうのです。
薬をつかわずに血圧降下
妊娠中ですからなるべく薬の投与を行わずに血圧を下げたいものです。
まず食事の制限を行います。塩分を極力少なくします。また、精神的なものも血圧上昇に影響しますから、リラックスを心がけ、睡眠、休養を十分にとるようにします。
それでもなお血圧が下がらない場合、胎児に影響が極力少ない薬をつかって、血圧を下げることになります。
分娩後も高血圧には注意する
無事出産を終えたあとが、大切です。高血圧、タンパク尿などの症状が慢性化する危険が十分あるからです。
子どもを産んだあとに体質がかわってしまう女性がいますが、分娩後の対策が十分でないと、高血圧症の体質におちいったりします。
食事の塩分に気をつけると同時に、精神的なリラックス、肉体の休養も大切です。無理をすれば後々肉体に不調を生じます。
これは余談ですが、口径避妊薬のピルを服用している人は、高血圧になりやすいようです。というのは、含まれている成分が血圧を上昇させるからです。
したがって、最低血圧100以上、最高血圧160以上になった場合、またはなっている人は、ピルの使用をやめるべきです。また、血栓を起こす副作用もあるので、注意が必要です。